作品レビュー 松尾さんの作品
作品レビュー企画、今回は書式レビュー、松尾さんの作品です。
松尾さんは現在大学生で、コンポジターを目指しているとのことです!
Satellite from Daiki Matsuo on Vimeo.
松尾さんからのコメント:
「背景の地球は2Dのもので、手前の衛星や月は3Dで制作しました。」
「僕はいつも構図に悩まされます。最近はArtStationで色んな人の作品を見ながら構図などを真似して勉強している感じです。」
「2カット目の窓のゴミや反射の表現、衛星にもう少し光を当ててピカっと反射させた方が良かったかなども気になります。」
1カット目:
良いレイアウトですね!地球と、宇宙飛行士の関係性をもっと目立たせたいです。全体のコントラストを上げるだけで大部分が改善されます。
あと、星はこの露出ではほぼ見えないはずです。演出上見せたいというのはありですが、見え具合をグッと抑え目にしましょう。
宇宙飛行士の影が全体に対して黄みがかりすぎなのでバランスをとってください。ビューワーのコントラストを変えるとわかりやすいです。地面の紫色は、自然物としては不自然な色なですので、色味を無くしましょう。
提案として全体をザックリと編集しました。宇宙飛行士の視認性を上げるため、バックパックにハイライトを意図的に足し、画面右側のクレーターのハイライトを若干抑えました。ちょっとハイライトの値が潰れてしまいましたが、オリジナルの画像に同じことをするともっとクオリティが保てるでしょうか。
宇宙飛行士とその横の装置のハイライトに少しグローを追加しました。これはちょっと過剰演出かもしれませんが、画面の中で小さいので視線誘導のために試しにやってみました。
2カット目:
POVでしょうか?一番気になるのは画面左上のサテライトの黄色いハイライトです。ここでは地球を見せたいので、設定上光が当たっているとしても、光をぐっと抑えましょう。視線がどうしても左上に行ってしまいます。
地球の見えている部分は、もっと光のコントラストがあったり、面白い形の雲があったり、特定の大陸があったり、「見せ所」がある部分を真ん中に持ってくると一枚絵としての面白みが増しますね。写り込みに宇宙飛行士が写っていたりしたら、ストーリー性が上がって良いですね。ガラス面のゴミは悪くないと思いますが、私なら右下の縦長い白いものはもっと薄くします。
3カット目:
地球とサテライトの光の強さと、角度、両方ミスマッチしています。地球の素材はこれを使うのであればもっとハイライトを足し、サテライトのキーライトも調整しましょう。左上からきているフレアを足して、絵としての面白さを足すのをお勧めします。
私が仕事で実際に関わった「Life」という映画で、チームでサテライトカットをいくつかやりました。監督・撮影監督の好みもあるのでこれが正解というわけではないのですが、この映画でのサテライトカットは光を入れる角度を計算し、コントラストの高い画を出すことにより絵としての魅力を挙げています。影部分の面積が多めで、映画のストーリーにある「不穏な感じ」を演出する上でも役立っています。テイストは違いますが、一例として参考にしてみてください。ちなみにこのトレーラーに写っている、サテライトカットに写っている地球は全てNukeで作られています。
総評:
私がレビューでよく指摘する絵の切り取り方に関してはあまり言うことがありませんでした!特に1カット目の構成は良いですね。サテライトや地球という、現実世界に存在するものを使ったショットでも、「どう魅せたいか」を意識するともっと良くなっていくと思います。大学生さんでこのレベルは、将来有望です・・・!これからも頑張ってください!
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