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Sunday, June 19, 2016

[海外就職]VFX映画会社におけるカナダイギリスの残業事情


私が実際に見たVFX映画会社のカナダ・イギリスにおける残業事情です。アニメーション会社・ゲーム会社だとまた事情が変わってきます。また、同じVFX会社でも個人レベルで交渉すること(重要!)によって条件が変わりますので、あくまでも参考までに。

カナダの場合
アーティスト職は基本残業手当あり。週4050時間勤務を超えると時間給が1.5倍~さらに残業合計が多くなると1.5倍より多くなるところも。
基本残業申請をプロダクションにして許可される、というプロセスが必要。なのでお金が欲しいからといって無制限に個人の判断で残業は出来ない
リードポジション以上は残業代が出ないところが多い(管理職寄りになる為)その人たちは休日出勤した場合は1日あたり給与追加支給または代休
プロダクションチームは残業代が出ないところが多い
補足:年間有給は10日(州によって違いがあるかも?!個人交渉可能)


イギリスの場合
どのポジションも基本残業代は出ない
休日出勤した場合は1日あたり給与追加支給または代休
補足:年間有給は20



カナダ・イギリス共に残業する場合は食事が支給されるところがほとんどです。また、残業する=忙しいので、プロダクションからがんばってね💓的に気遣いのお菓子やピザ・ドリンク・アルコールなどの差し入れがされることもしばしば。残業続きでさらにピザ続きだとどんどん不健康になるわ!と私は食べなかったですが(笑)

こうしてカナダイギリスを比べると残業制度においてはアーティスト職ならカナダの方が断然良いです。しかし、その地に根付いている人ならそうなのですが色々な国を渡り歩いている人は為替を考慮しなければいけません。(そういう人はお金が最優先の人はあまりいないと思いますが・・・。)これ書いている時点で1ポンド=1.86カナダドルです。イギリスの会社がカナダに支社を作るのは税制優遇だけでなく人件費にかかる為替の差も大きいからです。(会社的には残業代を払う必要があっても)

ちなみにカナダ・イギリス共、残業は会社が「強制」できるものではありません。もちろん繁忙期は残業することを求められ、残業できないとプロダクションに困られるのは事実です。しかし、しかるべき理由がある場合は断る権利が働く側にあります。お互い公平になるために、繁忙期で前もって分かっている理由があるなら早めにプロダクションに「この日は残業できない、休日出勤できない」と伝えれば、プロダクションが代わりの人の考慮を含めてスケジューリングしてくれます。


私はイギリス→カナダ→イギリスと移動し、残業代もらえる国からもらえない国に戻ってきました。これが私の心理的に影響をおよぼしたのは「なんとなく残業しない!」です。特に、前回の記事に書いたようにコンポジターは暇な時期と繁忙期の差が超激しく、追い込み期は残業時間がすごいことになりますが、この忙しさは分業制の最下層にいるコンポジター個人レベルでほぼコントロールできません。かつ、イギリスなので残業代が出ません。その分、私は繁忙期以外の時期は急ぎの作業がなければ定時ですぐ帰るようにしてます。

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