私が直近まで関わってたスター・トレック Beyondが公開されました。(日本は10月公開)
海外就職を目指していた時から大作映画に関わってどんな風にプロジェクトにが回っているのかみたいと思っていたのですが、今回は正に私が関わった中で一番大きなプロジェクトでした。社内だけで本社支社合わせて600-800人程?が関わりました。(人数多すぎて自分含めてクレジットに名前が全然全員載ってませんでした(T_T))
海外就職を目指していた時から大作映画に関わってどんな風にプロジェクトにが回っているのかみたいと思っていたのですが、今回は正に私が関わった中で一番大きなプロジェクトでした。社内だけで本社支社合わせて600-800人程?が関わりました。(人数多すぎて自分含めてクレジットに名前が全然全員載ってませんでした(T_T))
いちコンポジター個人単位でも色々と大変だったのですが、その思い出は置いておいて、終わったタイミングで前向きに次回に生かせる考察や思ったことを書いてみます。これができていた、できていなかった、自分の反省も含め色々ありますが、俯瞰して振り返った視点でまとめました。
以下は如何に限られた条件と時間で大変な物量をこなすかという前提です。
———————————————————————————————————
[プロジェクト全体の人員配備&進行]
上のポジション(リード、スープ、プロデューサー)の決定事項の重要度が増す。決定事項に影響されるショットの数、アーティストの規模が大きい。的確に、速く、状況に応じて最適な判断が出来る、経験豊富な人材が居ることが重要
オートメーション化の構築、ツール化、テンプレート化を出来る人物の重要性。コンポジターの場合リードやシニアが受け持つ。こういうスキルのある人材はどんなプロジェクトにおいても重宝される
コンポジターの場合、キーショットの絵作りを担当するシニアの人数の「割合」が中小規模プロジェクトより多く必要。キーショットは一つ一つ時間がかかるので一人あたりたくさんのショット数を持てない。
理想どうりに進行していくことの方が稀なので、時間が限られている場合はトライアンドエラーにかかる時間が比較的短いコンポジットに作業時間の比重を置く方が良い。CGで理想のところまで持っていくのが最良だが、CG側は一度修正したものが反映されるのにシミュレーション、レンダリングの時間が数日以上かかる
コンポジターの場合、「知ってて当たり前、知らないと納品クオリティに関わる」知識があるが、人数が多いほど残念ながらわかっていない人もいる。プロジェクトに余裕のある段階で基礎知識の共有をする準備が必要(社内イントラネットや簡単な勉強会など)もちろん他部署にも同じことが言える
[いちアーティストとして]
問題解決能力が求められる。プロジェクト規模が大きい分上司も全てに常に目がいかない。自分が動いて解決できるものは自分で動く。誰かがやってくれるのを待たない。直接FXTDやライティングTDとコミュニケーションをし、それぞれの上司にも情報シェアとして状況報告をする。
上の内容と繋がっているがコミュニケーションの重要性。分業制なので同じショット担当の人と直接どんどん連絡を取って何のレンダリングが来る、何のリクエストをする必要がある、など把握する。これどうなってんの?というのがあればすぐに聞きに行き、時間のロスを作らない。CGでこれがあればあの処理が速くできる、うまくできる、という場合はとにかくやってもらえるか聞いてみる。よっぽどの切羽詰まった理由などがなければ快く対応してくれる人が多い。
コンポジターとしての上司に対する提案能力。例えば、クライアントのフィードバックをCGで対処するなら1週間かかるものに対して、コンポジットなら的確ではないけどここまでの内容なら1日でできる、など積極的に提案する。(もちろんCGで対応するしかない場合もあるが)
物量が多いので誰かが途中までやっていたショットが振られる頻度も多くなるが、皆で一緒に終わらせようという気持ちで取り組む姿勢が大事
[チームスピリット]
プロジェクト後半はコンポジットチームでさえ誰がいるのかわからないほど人数が膨れ上がりましたが、そんな中でもチームとしての気遣い合いは大切だなと実感しました。プロダクションやリーダーが一言添えるだけで皆のモチベーションが変わる時もあります。もちろん交渉の際は常にニコニコしているわけにはいきませんが、それ以外の時は個人同士でも「〇〇してくれる?ありがとう」「できるだけの事をやってみよう」というポジティブな空気を出来るだけ維持するのが大事。
———————————————————————————————————
ざっと思いついたのはこのあたりです。社内でプロジェクト後アンケートがあるので色々提案含めて書いて提出しました。
絵作り、テクニカル面においては大プロジェクトだチャンス!とばかりにちょくちょくベテランの仕事ぶりを見て勉強になりました。
ベテランコンポジターがどういう風にショットを仕上げていくのか随時(勝手にw)チェックしたり、テンプレートやツールを(勝手に)研究して作った人になんでここはこんなことしてるのか?テクニカルな理由を質問しに行ったり。
もういっかい言うけど大変だった・・けど参加できて色々学ぶことが多かったです!!!
No comments:
Post a Comment