海外で映画向けVFX会社で働いていくにあたって、 契約形態について自分の経験をイラストにしてみました。主にカナダ、イギリス、ちょろっとオーストラリアでの経験です(先にツイッターで流したもの)
全然違う雇用形態の方から見たら、ひょっとすると「 シビアでドライで大変な世界!」と思われるでしょうか。
しかし、これらの個人的な経験を得て、特にイラストの「 キツかった事」の時期あたりから悟りを開きました。
悟ったのは・・
この業界はそういうもん。
既に身に感じている人にとっては「当たり前じゃんっ!」 となるかもしれませんが、 自分で経験しないとなかなか本当の意味で実感できません。
悟りを掘り下げると・・・
・需要(プロジェクト)があるから雇われる。需要がもうない=契約終了。シンプル!
・VFX会社は下請けなので需要をコントロールできない( クライアント次第)。
・だから、不慮のことが起こって個人が慌ててもしょうがない。
・契約が終わるとしても、 自分のせいじゃない場合の確率が圧倒的に多い。
イラストで描いた経験をしていた当時は必要以上に個人的に捉えたり、 焦ったり、ストレスを抱えたりしてました。 外国で会社スポンサーの就労ビザで働いている場合、 一番のストレスは「仕事の終わり=国に居られる期限の終わり」 になることです。万が一契約が予想より早く終わってしまった時、「 忙しくなる時期を待ちながら現地で就職活動するか〜」 というのができません。すぐ現地で次のスポンサーを探し、見つかれば良いですが、見つからない場合は国を出なければいけません。外国から引き上げるというのは大変なエネルギーがいりますが、それが自分の望んだ・予定していたタイミングでないなら尚更です。家族連れだとさらに考えることが増えます。
自分が「やりたい!」と選んできた業界に、このような環境がセットになっている状態。個人ができる対策としては「慌てないよう備えておく」か「業界を去る」かどちらかです。
私が備えとしてやっていることで、一番優先しているのは、いつでも就活できるようにデモリール(作品集)を常に最新の状態にしておく事です。デモリールは、会社にショットを申請してから実際もらえるまで時間がかかります。
あと、備えが一番の目的ではありませんが、間接的に備えに貢献しているのは
・やりたい事をマネージャー、上司にアピールする(良い仕事をどんどんもらえるように)。待遇や環境に不満や意見があればアピールする
・当たり前だけど振られた仕事は常にベストを尽くす。プロジェクトがないから契約終了と共に会社がまるっと人を減らすパターンが多いが、一方で、人員削減の際、同じポジションの人材から誰を減らすか会社が決めないといけなくなった場合、仕事ぶりの評価の悪い人は最速で候補に上がる
・業界の動向をざくっとでも良いので追っておく(どこの国が、会社が忙しくなっているのか?逆は?)
・ネットワーキング(最近は、私はかなりスローダウンしていますが、ワーホリ時代フリーランスで働いていた当時は積極的にしていました。イギリスだとパブ通い)
そして、こういう契約形態の業界だからこそ、雇われる側が契約を交わす時に交渉(給与額、期間、内容など)をするのが重要になります。そして、契約がはじまってからの途中解消をする権利は、雇われる側にもあります(事前通知期限など、個々契約内容による)。
今回、この記事を書こうと思ったのは、 数年前だったらそれまでと同じように焦ってストレスを受けていた であろう出来事に、全く動揺しないまでは行かないけど、 かなり落ち着いて距離をおいて状況を見られていた自分に気づいた からです・・・。でもやっぱり周りの人をみると、結構焦ってゴシップだらけになったり、慌てて別の国に引っ越しちゃう人とか今まで見てきました。
一番お伝えしたいのは、同じような環境で働いてまもなく、ストレスを受けている人たちに、「自分でできる事はやって、あとはどーんと構えよう、どうにかなったとしても死にゃーせん!」です(^-^)
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