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CG study (After Effects, Nuke, Maya...), English study and more.

Sunday, July 24, 2022

[本紹介] 書評「ピクサー 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」

書評「ピクサー 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」

ローレンス・レビー著


業界関連本の書評です。ご支援で頂いたギフト券で購入させていただきました。

本作は、ローレンス・レビー氏が、スティーブ・ジョブスから「ピクサーを救って欲しい」という旨の電話を受けることから始まります。当時のピクサーはトイ・ストーリーを製作中でしたが、会社の費用はスティーブの多額なポケットマネーで何年もまかなっている状態でした。


CGアニメーションという未知の世界に飛び込むローレンス氏の葛藤、実際ピクサーに入ってから最高財務責任者になり、財務状況の洗い出し。業界のお金の流れを知りたいのに、エンタメ界のビジネスモデルがどう成り立っているのか、機密事項が多すぎて知れるすべがかなり無かったための苦悩。

トイ・ストーリーの公開へこぎつける流れ、その後のディズニーによるピクサーの買収・・・など、ビジネス面にフォーカスした内容になっています。


しかし!本作の大きな軸はビジネスであるものの、本文では人と人、優秀なチームへの尊敬の念、的確な意見を言ってサポートしてくれる奥さんなど、「人」にも重きを置いています。後半ではスティーブの病と、彼との友情も描かれています。


私自身はVFX業界のアーティストとして普段働いているので、ビジネスの面はかなり疎いのですが、アニメーション会社とはいえ会社経営戦略などが読めるのはかなり興味深かったです。そして、やっぱり、ビジネスで一番大事なのは「人」とのつながりですね。


業界に詳しくなくても、会社経営自体に専門知識がなくても、一冊の読み物として楽しめるのでどんな方にでもおすすめできます!


本文中でローレンス氏が「唯一見つけられたエンタメ業界のお金の話が載っていた本」を紹介していたので、買いました。残念ながら日本語翻訳版はないみたいです。めっちゃ分厚いので読み終わるのいつになるやら・・・(^^;)ゆっくり読み進めます。



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